公式ドッジボール「卒団・引退後」のロードマップ:別競技へ移る時の注意点とドッジ出身者の強み

さて今回は、小学生の間ドッジボールという競技を全力でやり切った子、あるいは途中で別の競技に興味を持ってそちらに移った子など、様々な理由で「小学生ドッジボール」を離れた先に待っているロードマップについて、私なりの視点で紹介しようと思います。

次のステップに進むときのちょっとした注意点やアドバイスも含めますので、ぜひ参考にしてみてください。


1. 中学校でドッジボールを続ける場合の「環境」と注意点

まず、チームを卒団して中学生に上がるタイミングの話です。
基本的には、中学校の部活動に「ドッジボール部」というものは存在しません(少なくとも我が県には1校もありません)。

もし中学でもドッジボールを続けたい、あるいは一度別競技に移ったけれど中学からまた再開したいという場合は、「U-15のクラブチーム」に所属する必要があります。

ここで、選手や保護者の皆様に頭の片隅に置いておいてほしいリアルなポイントが2つあります。

① 保護者の手厚いサポートが不可欠

中学校の部活とは異なり、地域のクラブチームという括りになるため、練習場所への送迎やチーム運営など、親御さんのサポートが必要になる場面が格段に増えます。君たちが全力でプレーできているのは、陰で支えてくれている保護者の方々のおかげであるということは、絶対に忘れないでほしいです。

② 「マイノリティな競技」ゆえの遠征距離

オブラートに包まずに言えば、ドッジボールは競技人口やチーム数がそこまで多くないマイノリティな競技です。そのため、試合をするにしても「県外遠征」は当たり前。車で数時間移動して、日帰りプチ旅行レベルの移動距離になることもザラにあります。

もちろん、その壁を越えてそのままドッジボールを続ける子たちは大丈夫です!小学生時代からさらに1段階も2段階もレベルが上がった、最高にエキサイティングな中学生ドッジボールの世界を思いっきり楽しんでください。


2. 他の球技(野球・ソフト等)に移る子が絶対に注意すべきこと

次に、ドッジボールで培った経験を活かして、中学から「別の球技」に移った子たちへの注意点をいくつか挙げておきます。

実は、ドッジボール出身の選手が持つ「ボールを扱う技術」は、一般の同年代の子たちとはかけ離れてレベルが高いということを、まずは強く認識してください。その上で、以下の現象に注意が必要です。

① パスの「勢い」と「捕り方」の違い

前回のコラムで解説したドッジボール特有の「お腹で包み込むキャッチ(捕球技術)」は、基本的に他の球技では通用しません(グローブを使ったり、ボールの大きさが違ったりするためです)。他の競技に移った際は、まずその競技の「正しい捕球スタイル」に頭を切り替える必要があります。

② ボールが軽すぎて「大暴走」するリスク

我が子もドッジボールから別競技(ソフトボール)に移った際、最初のキャッチボールでかなりのスピード球を投げてしまっていました(本人は至って真剣に、普通に投げているつもりでした)。

これは、ドッジボールという「大きくて重いボール」を日常的に投げていたことに起因する現象です。
ドッジボールに比べて、野球やソフトボールの球はとんでもなく軽く、小さく感じます。すると最初は「球が指から抜ける感覚」が強くなりやすく、力加減がバグってしまい、とんでもない方向に、とんでもない剛速球が飛んでいってしまうことが稀にあります。最初は細心の注意を払って力加減を調整してください。

③ インコースを躊躇なく攻められる「バグったメンタリティ」

これはこの競技をしていたことによる「弊害」でもあり、同時に他競技では凄まじい「武器」にもなるポイントです。

野球でもソフトボールでも(卓球などの対人競技でも何でもいいですが)、相手の身体の近いところを突く行為は、本来ならその子の性格によっては躊躇してしまう場面です。「デッドボールになったらどうしよう」「相手に悪いな」というブレーキが働くからです。

しかし、ドッジボールという「相手にボールを当てないと勝てない、当てることを目的とした明確なアタック」を日常的に打ってきた選手たちは、大半がこのブレーキが緩んでいるか、あるいは最初からありません。それもそのはず、ドッジボールの世界ではそれが「大正解」だったからです。

例えば、ドッジのエースアタッカーだった人間が野球部に入ると、何が起こるか。

  • 球速: そこいらの選手より遥かに速い
  • コントロール: 一般の選手と同等レベル
  • メンタル: バッターの内角(インコース)に躊躇なく100%の球を投げ込める

野球出身の選手だと、この内角を攻める度胸は個人の性格に委ねられますが、私の周りにいるドッジ出身の選手はみんな物怖じせず投げ込めます。「ぶつければ、しっかり謝ればいい(わざとではない)」というのを、ヘッドアタックの厳しいルールの中で経験しているからです。人に向かって100%の力でボールを投げ込んできた経験値は、それほどまでに凄まじいアドバンテージになります。


3. 保護者も選手も必見!「外競技」に移る際の盲点

もし、ドッジボール(室内)から野球やソフトボールなどの「外競技」を選択した場合、日焼け対策は1年目から必須であるということを強く、強く言っておきたいです。

現に我が家は、別の外競技に移った最初の1年、とてつもない日焼けをして親子で大変な目にあった苦い記憶があります。
ただ肌が黒くなるだけなら我慢できますが、恐ろしいのは「直射日光による熱中症リスクの跳ね上がり方」が室内とは桁違いな点です。

もちろん室内競技には熱がこもるリスクがありますが、外競技の「日差し」は想像以上に体力を奪います。ここは費用をケチらずに、以下の装備を最初から用意してあげてください。

  • アームカバー
  • レッグカバー
  • スポーツ用の強力な日焼け止め
  • フェイスカバー(人によってはしない場合もありますが、あると激変します)

まとめ:ドッジボール出身者は、自信を持って次のステージへ!

どんな競技に移るにしても、ドッジボール出身者はその道から上がってきた生抜きの選手たちと遜色ないくらい、むしろ一部の能力(地肩の強さやメンタル面)においては、「ダブルスコアで勝てるくらい突出している」ことも珍しくありません。

能力の土台はすでに完成しています。あとは、その競技の「技術」を少し付け足すだけです。そんな特大のアドバンテージを持って別競技に移れるのも、ドッジボールという競技の大きな魅力だと私は思います。

そして最後に、保護者の皆様へ。
メジャーな競技に移っても、確かに車移動や遠征はあります。しかし、遠くてもせいぜい県境程度です。ドッジボール時代のような「往復100km超えの県外遠征」「車で数時間移動して日帰りプチ旅行レベル」といった超絶ハードな移動距離は、格段に減ります。

最初は少し拍子抜けされるかもしれませんが、きっとすぐに慣れます(笑)。「あぁ、今まではちょっと頑張りすぎていたんだな」と。

これまで子供たちを全力で支え、激しい遠征を共に戦い抜いてきたすべてのドッジボール保護者の皆様への、最大限のリスペクトをもって、この記事を締めくくりたいと思います。本当にお疲れ様でした!

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